Prevention
予防歯科
予防歯科とは
予防歯科の目的は、一本でも多くの歯をできるだけ長く残すことです。
予防歯科ではむし歯や歯周病の早期発見、治療を行い、重症化のリスクを減らすことができます。
そのためには痛くなる前、気になる前に歯科医院に行き、自分の歯を守ることが必要です。
予防歯科に通うメリット
- ご自身の口腔内に関心がわく
- むし歯や歯周病のリスクを減らすことができる
- 将来的に歯を多く残すことができ、健康寿命を延ばせる
- 口腔内を健康に保つことで全身の健康を保つ
- 歯科治療費や通院回数を抑えることができる
予防歯科、定期健診では何をするの?
- むし歯・歯周病のチェック
- 歯のクリーニング、バイオフィルムの除去(スケーリング、PMTC)
- 歯磨き指導および食生活指導
- 高濃度フッ素塗布やシーラントなどむし歯予防処置など
お家でできる予防歯科
むし歯・歯周病は、毎日のセルフケアと歯科医院で受けるプロフェッショナルケアの両方を受けることでさらに予防効果が高まります。
予防歯科、定期健診では何をするの?
お口の中の病気は毎日のセルフケアと生活習慣が大切です。歯科医院で歯をきれいにしても、毎日のケアが不十分だとすぐにその効果は減ってしまいます。
セルフケアを行う際は、以下の点を守ることで予防効果が高くなります。
- ・正しい方法で歯を磨く
- ・デンタルフロスや歯間ブラシを併用する
- ・生活習慣の改善(間食のだらだら食べをやめる、歯ぎしりや食いしばりを改善する、口呼吸から鼻呼吸に変える、など)
お家でできる予防歯科
むし歯・歯周病は、毎日のセルフケアと歯科医院で受けるプロフェッショナルケアの両方を受けることでさらに予防効果が高まります。
歯周病とは
歯と歯茎の間には歯周ポケットと呼ばれる溝があり、歯周ポケット内に細菌が繁殖することで歯の周りの組織(歯周組織)が炎症を起こす病気です。
周病はまず歯茎の炎症(歯肉炎)から始まり、進行するにつれて歯を支える骨など歯周組織を破壊し歯周炎を起こします。これら歯肉炎と歯周炎を総称して歯周病と呼びます。
歯ブラシの際の出血や口臭などの違和感から受診される方が多いですが、歯周病は自覚症状がないまま進行する病気で、日本人では30代以降約50%の方が罹患している歯を失う1番の原因です。歯周病は症状が現れた段階では進行していることが多く、溶けた骨は戻りません。そのため手遅れになる前に初期段階での早期発見・早期治療が大切です。
こんな症状はありませんか?
このような症状が一つでもあてはまる方は、歯周病の可能性があります。
- 口の中がねばねばする
- 歯磨きをすると血が出る
- 歯茎が下がってきた
- 歯茎が赤くはれている、膿が出る
- 口臭が気になる
- 歯と歯の間にものがつまる
- 歯がぐらぐらする
- 硬いものが噛みにくい
歯周病でリスクが高まる病気
歯周病は歯の周りの組織を破壊するだけでなく、全身にも悪影響を及ぼすことがわかっています。歯周病菌が出す毒素が血液に乗って他の組織に入り込み、様々な疾患を引き起こすとも言われています。代表的なものは以下です。
- 糖尿病
- アルツハイマー型認知症
- 誤嚥性肺炎
- 心疾患
- 早期低体重児出産・早産
- 高血圧症
- メタボリックシンドロームなど
歯周病治療はどんなことをするの?
歯周病検査
歯と歯茎の間の歯周ポケットの深さをはかり、歯や歯茎の内側を触り状態を確認します。レントゲン画像、歯周ポケットの深さや出血などから歯周病の進行程度や炎症の有無がわかります。
歯磨き指導
普段の歯磨き状況を歯垢の付着状態などからチェックし、セルフケアで良好なお口の状態を保てるように指導を行います。
スケーリング・ルートプレーニング(歯周基本治療)
基本的に歯石や歯垢の除去で口腔内の菌をコントロールしていきます。歯石は歯の見えるところだけでなく、目では見えない歯茎の中にも沈着します。
PMTC
ブラッシングでは落としづらい歯垢の膜(バイオフィルム)を除去します。着色も除去し、歯の表面を滑沢にすることで汚れがつきにくい状態を作ります。
歯周外科治療
歯周基本治療では改善が難しかった部分を、外科的に感染源を取り除く手術や、垂直性の骨欠損に対して歯周組織再生療法などを行うこともあります。
よくある質問
- Q.歯周病は治るの?
- A.歯周病により吸収された骨が元通りに戻ることはほぼ不可能と言われており、進行を防ぐことが治療です。これ以上進行しないよう、歯のクリーニング、定期検診を受け日々のケアを正しく行うことが重要です。
- Q.歯を磨くと出血するのはどうして?
- A.炎症を起こした歯肉は歯磨きの弱い刺激でも出血することがあり、歯肉炎の典型的な症状です。歯周病治療が必要な状態である可能性がありますので一度検査をお勧めします。また、間違ったブラッシングでも出血することがあるため歯科医院で相談しましょう。
- Q.歯周病ってどんな病気?
- A.歯周病は、ギネスブックで人類最大の感染症として認定されている病気です。Silent diseaseとも呼ばれ、症状の自覚なく静かに進行します。そのため、気づかないうちに進行し、気づいた時には重症化し歯が残せないことがあります。また日本人では30代以降で約5割以上の人が罹患しており、最も歯を失う原因として多い病気です。歯は失うと二度と元に戻りません、大切な歯を守るためには、未然に防ぐことが大切です。
- Q.喫煙と歯周病の関係は?
- A.喫煙は歯周病のリスクを高めます。たばこに含まれる成分は組織への酸素供給を妨げ、血管を縮ませるため体が酸欠、栄養不足状態になります。そのため口腔内では防御機能が抑制され歯周病菌が繁殖しやすい状態が作られます。歯肉の炎症も、血管の収縮により出血が起こりにくいことから発見しにくい状況になります。禁煙することでこれらの危険性下がり、歯周病にかかりにくくなります。
- Q.しっかりと歯磨きをしていても歯医者に行くべき?
- A.歯ブラシにより除去できる歯垢は全体の約60%、さらにデンタルフロスを使用することで全体の約80%強が除去できます。しかし、ここまでしっかりと磨ける方はほぼいません。残りの20%の汚れを除去するのが歯科医院での定期健診です。毎日歯科医院で清掃は行えませんので、歯磨き指導により正しいブラッシング法を身に着けることも重要です。